メンヘラ界隈に半年潜入してみた
Twitterでいくつもアカウントを持っている私ですが、たまにはメンヘラらしく病気について呟きたいなと思い、半年前にメンヘラ用垢を取得しました。
こちらはある意味裏垢に近いので、名前とIDは新しく考えました。
とりあえず、双極性障害・睡眠障害・鬱病などで検索をしました。
自分の病歴と照らし合わせて症状が近い人を40人ほどフォローしてみました。
プロフィールに病歴や通院歴を載せている場合はそれを参考にしました。
一般的にメンヘラというと、やたら手首を切ったり「死にたい」などと呟いたりするイメージがあるかもしれませんが、実際にはそんな事はないです。
構ってちゃんや馴れ合いは全く見られませんでした。
むしろ、一般的なツイッタラー(笑)と比べてかなり丁寧で真面目です。
メンヘラ界隈を観察していて驚いたのが朝と夜の挨拶。
「おはようございます。昨日はおかげさまでよく眠れました。皆さん今日も一日よろしくお願いします」
「夜も更けてきたのでそろそろ布団に入ろうかと思います。お話してくれた方、ツイートを見てくれた方、今日も一日ありがとうございました。おやすみなさい」
……!?
そうなんです、皆さん揃いも揃って丁寧なんです。
朝と夜の挨拶はこんな感じで何故か共通しています。
個人的にTwitterは独り言製造機だと思っており「ツイートを読んでくれるだけでありがたい」という感覚はなかったので、この感覚の違いはなかなかに新鮮でした。
リプのやり取りもとても丁寧です。大体の人が140文字フルに使ってですます調で話します。
ちなみに、顔文字はあまり見かけませんでした。
その他の特徴としては1つのツイートの文字数が多いですね。
140文字いっぱいのツイートを連続でいくつも流します。
私からするとよくそんなに次から次へと文章が頭に浮かぶなぁと感心しきりでした。
単なるつぶやきというよりは、心の中に溜め込んでいる言葉をそのままアウトプットしている感じです。
中には詩のような形でツイートしている方もいて、せっかくだから作品としてどこかで発表すればいいのになんて思っていました。
そういえば、モノクロの写真をアップする人も多かったです。
夜の公園や部屋の中の写真、自分の顔などなど。
色がついていないのはどうしてなのかな……
肝心の病気の話はあまりできませんでした。
流れてくる長文ツイートの波に圧倒されてなかなか話し掛けることができなかったのです。
というのも、彼ら彼女らはあまり病気の話をしていませんでした。
誰も彼も「自分はどうして駄目人間なのか」「自分は何故モテないのか」「自分はこれからどう生きていけばいいのか」について延々と語っていたのです。
とにかく「自分」について深く深く考えてそれについて考察を反復する。
そんな空間がそこには広がっていました。
自分は一体何者なのか。
答えの出ない自問自答をひたすら繰り返しているのです。
彼ら彼女らは承認欲求が強く、RTやふぁぼにも人一倍敏感でした。
喜怒哀楽の波が大きく、ちょっとした反応に一喜一憂する。
だからこその「今日も一日よろしく/ありがとう」なんだと思います。
「同じメンヘラ同士、軽くお話でもできたらいいな」と思っていた私は完全に当てが外れた訳ですが、それでも得るものは大きかったです。
半年の中で何人かの人と人生について話をしました。
Twitterで人生を語る日がこようとは夢にも思いませんでした。
真面目な話をしても重く捉えられないというのは、この界隈独特の文化なのかもしれません。
短い間でしたが、意外と居心地はよかったです。
かなり長い時間が経ってしまいましたが、ようやく心療内科通院から卒業する目処が立ったので、メンヘラ用アカウントはそっと削除しました。
メンヘラは蔑称だなんて議論も時折目にしますが、私を含めて当の本人たちは自らをメンヘラと名乗っているので問題はなさそうです。
何よりわかりやすいですしね。
構ってちゃんしたいだけのなんちゃってメンヘラは滅びればいいと思っています(ニコッ
この場を借りて、半年間仲良くして下さったメンヘラ界隈の方々にお礼を申し上げます。
これからの人生が皆様にとってよい人生となりますように。